結論からいえば、利益が出た場合(課税対象になった場合)と3つの特例を使いたい場合(国の制度を申請する場合)のみ必要になります。
本項ではこの2つの場合と逆に確定申告がいらない場合について、それぞれ説明していきます。
売却するのだから利益は出るだろうと思われるかもしれませんが、実はそうとも限らないのです。
空き家の売却にあたって出る利益は売却益といいますが、この売却益は購入時にかかった費用やランニングコストなどから譲渡所得税を算出した結果がプラスになった場合のみ発生します。
相続したものですから、これから発生する譲渡価格や譲渡までにかかる譲渡費用は明確にわかるでしょうが、購入額や設備費といった取得費は確実にはわからない場合もあるでしょう。
その中で相続した場合に注目すべき大きな取得費としていえるのが、減価償却費です。
これはさまざまな税金の計算式に登場しますが、空き家の場合、購入当初から築年数分価値が下がっているということを考慮して取得費に加算される制度です。
さて、そういった計算ののちに利益が出た場合には譲渡所得が発生しますので、所得税として確定申告が必要となります。
空き家を売った場合には税金対策となりうる3つの特例があります。
この特例を使いたい場合も確定申告が必要となります。
そのうちのひとつとして、譲渡所得税は不動産の所有期間により税率が異なります。
5年を超えると一度低くなりますが所有期間が10年を超えるとさらに軽減税率の特例が使えるようになり、譲渡所得が6000万円以下であれば住民税10パーセント、所得税4パーセントまで下がります。
残り2つの税金対策は3000万円という多額の金額を特別控除として計算できる、すなわち税金を支払わなくても済む可能性のある税金対策になります。
そのうちのひとつは長年住んでいる、ないしは住まなくなって3年以内に引き渡すことが条件である以上、今回説明している相続した空き家売却後の確定申告では使えません。
しかし、もうひとつの最大3000万円控除は相続した物件に対してのみ適用となっています。
こちらも建てられた時期や売却時期などの条件を満たした上で、3年以内に相続を完了させることで3000万円特別控除を相続人が使える制度です。
特別控除を使うことなく売却利益が発生せず、実際に受け取った額がどうであったとしても計算式にあてはめた結果がマイナスになったなら確定申告は必要ありません。